ハゲデミックはアカンウィルス1

milky way, galaxy, night
Free-Photos (CC0), Pixabay

2030年、世界はまたパンデミックにより混乱している。今回のウィルスで感染による死者はでていない。このウィルスに感染するとはじめは風邪のような症状になり、やがて体毛がすべてなくなり、そして通常の状態にもどる。

その結果、2040年には、人類はすべてツルッパゲのスキンヘッドとなった。このウィルスの影響で、あかちゃんもスキンヘッド状態で生まれるようになった。

ある学者はこの現象を新人類誕生、進化した新しい人類だと熱狂するものもいた。

ある学者はこの現象こそヒトラーの予言だと主張するものもいた。

世界中の街はAIロボットとスキンヘッドの人間が歩き回る、奇妙な世界に変わった。

奇妙な世界、そうだ、毛がなくなったのは人間だけではなかった。犬も猫も牛も豚もすべての生物の毛がなくなってしまったのだ。

人はこの現象をハゲデミックと呼ぶようになった。そして原因のウィルスの名前をアカンウィルスと名付けた。名前の由来は、はじめての感染者が日本の関西人で、病院で毛がすべてなくなった姿を鏡でみて、”あかん、あかん、あかん・・・”と叫んで発狂してしまったことから名付けられた。悲しい歴史があるのであった。

人は毛がないだけで、悩み、苦しみ、ときには死んでしまう。心とは不思議なものであり、理解し難い謎の世界だ。

時が過ぎた。すべての生物の毛がなくなったのだから、ハゲで悩んだりするものはいなくなり、このアカンウィルスは人類の悩みを救ったと叫ぶ宗教家も現れた。

このハゲデミックを喜んでいたのは人類だけではなかった。宇宙からやって来て、密かに人類と共存していたハゲの異星人もこれで人類にさらに近づけたと喜んでいた。

そんな時代のある出来事の話である。

私は目を覚ました。いつもと変わらぬ朝だ。

続く

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