【ホラー小説】Plakanon卍Spiral 1 悪魔の扇風機 – バンコク路地裏の元ナチス骨董屋

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ここがポイント

このストーリーはフィクションです。小説サイト「カクヨム」に投稿した内容にAI生成画像を追加して作成してあります。

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[balloon_left img=”https://jiyuland.com/blog/wp-content/uploads/2023/09/2023-09-21_03-22-31.png” caption=”Tensui”]クトゥルフ神話好き集合!バンコクの路地裏にある古道具屋で、恐ろしい秘密が暴かれる。悪魔召喚、タイムパラドックス、そして邪神クトゥルフの影が忍び寄る。この物語を読めば、あなたは夜中に目が覚めてしまうかも。#クトゥルフ神話 #ホラー #オカルト[/balloon_left]

バンコクの喧騒から離れた路地裏に、一軒の古道具屋がひっそりと佇んでいた。看板も出ていない、名もなき店。しかし、その扉を開ける者は、単なる骨董品以上のものを求めてやって来るのだ。

店の奥に座る老人は、かつてナチスの秘密結社に所属していたクラウス・シュミットだった。第二次世界大戦後、多くの仲間たちがニュルンベルク裁判にかけられる中、彼はひとり東へと逃亡。そしてついに、この混沌としたアジアの街に辿り着いたのだ。

クラウスは、ナチスが追い求めていた究極の力を手に入れるため、ひそかに研究を続けていた。その鍵となるのが、彼が作り上げた特殊な扇風機だった。一見すると古びた扇風機に過ぎないその品は、実は悪魔を召喚する装置だったのである。

ある湿り気の強い夜のこと、店の扉が開いた。入ってきたのは、中年の日本人男性だった。

「こんばんは」と男は言った。「珍しいものを探しているんですが」

クラウスは、目の前の男を注意深く観察した。「何をお探しで?」

「実は、扇風機なんです。ただの扇風機じゃなくて…特別なものを」

クラウスの目が光った。「特別な扇風機、ですか」

男は頷いた。「はい。噂で聞いたんです。この店には、悪魔を呼び出せる扇風機があるって」

クラウスは、ゆっくりと立ち上がった。「そのような噂を、どこでお聞きになった?」

「ネットの裏掲示板です。誰かが、ナチスの秘密兵器だとか…」

クラウスは、男の背後にある鏡を見た。そこには、男の姿が映っていなかった。

「あなたは…人間ではありませんね」クラウスはつぶやいた。

男の顔が歪み、その姿は徐々に変貌していった。人の形をした影となり、その目は赤く光っていた。

「よくぞ見抜いたな、人間よ」影は低く唸るような声で言った。

「私はお前が作り上げた召喚装置に惹かれてやって来た。我が主、偉大なるクトゥルフの名において、その扇風機を渡すのだ」

クラウスは冷静さを保ちながら、ゆっくりと後ずさった。

「残念だが、それはできない相談だ」

影は大きく膨れ上がり、店内を闇で満たしていった。

「ならば、力ずくでも奪い取ってやろう!」

クラウスは素早く行動した。彼は棚の奥から、鉤十字の刻まれた小箱を取り出した。箱の中には、古ぼけた羊皮紙が収められていた。

「これは…ネクロノミコンの一部だ」

クラウスは宣言した。

「お前たちが恐れる言葉が、ここに記されている」

影は一瞬、躊躇した。「まさか…」

クラウスは羊皮紙に書かれた呪文を唱え始めた。古代の言葉が響き渡り、影は苦しそうに身をよじった。

「やめろ!その言葉を…」

しかし、クラウスは止まらなかった。呪文が進むにつれ、影は徐々に縮小していった。そして最後の言葉と共に、影は完全に消え去った。

店内に静寂が戻った。クラウスは、額の汗を拭った。

「これで終わりだと思うなよ」

声が聞こえた。クラウスが振り向くと、扇風機が勝手に回り始めていた。そして、その風と共に、おぞましい姿の存在が現れ始めた。

触手のような腕を持ち、人の顔とタコを組み合わせたような顔を持つ巨大な存在。それは、クトゥルフそのものだった。

「よくぞ我を呼び出した、人間よ」

クトゥルフは言った。

「お前の野望は、遂に実を結んだのだ」

クラウスは震える声で答えた。

「偉大なるクトゥルフよ…私は、あなたの力を求めてこの装置を作り上げました」

クトゥルフは、その巨大な触手でクラウスを掴んだ。

「愚かな人間よ。我を支配できると思ったか?」

クラウスは苦しそうに答えた。

「いいえ…私が求めていたのは、支配ではありません」

「ほう?では何だ?」

「知識です」

クラウスは言った。

「宇宙の真理を知りたかったのです」

クトゥルフは、不気味な笑みを浮かべた。

「ならば、その願い、叶えてやろう」

クラウスの体が、徐々に変形し始めた。彼の肉体は、宇宙の真理を受け入れるには脆弱すぎたのだ。

しかし、その瞬間、予想外の出来事が起こった。

店の隅に置かれていた古い置時計が、突如大きな音を立てて鳴り始めたのだ。その音は、クトゥルフの姿を揺らがせた。

「これは…」

クトゥルフは困惑した様子で言った。

「時空の歪み?」

時計の針が狂ったように回り始め、店内の空間が歪んでいく。クラウスの体が元の姿に戻り始めた。

「まさか…」

クラウスは驚きの声を上げた。

「これは…タイムパラドックス?」

クトゥルフの姿が徐々に薄れていく。

「くっ…まさかこんな形で…」

そして、大きな光と共に、クトゥルフの姿は完全に消え去った。店内は、元の静かな状態に戻った。

クラウスは、何が起こったのか理解できずにいた。そして、彼の目に映ったのは、扇風機の中から覗いている小さな装置だった。

それは、タイムマシンの一部だったのだ。

クラウスは、やっと理解した。彼が作り上げた扇風機は、単なる悪魔召喚装置ではなかった。それは、未来から送られてきた装置だったのだ。そして、その未来の彼自身が、過去の自分を救うために、この仕掛けを施していたのである。

クラウスは、扇風機を見つめながら考えた。

「これが終わりではない。むしろ、本当の始まりなのかもしれない」

彼は慎重に扇風機を調べ始めた。しかし、その瞬間、店の外で大きな物音がした。クラウスが振り向いた隙に、影のような何かが素早く店内に忍び込んだ。

「誰だ!」

クラウスは叫んだが、返事はなかった。

彼が再び扇風機に目を向けたとき、愕然とした。扇風機が消えていたのだ。

「まさか…」

クラウスは急いで店中を探し回ったが、扇風機は見つからなかった。窓は開いたままで、そこから夜風が入ってきていた。

誰かが、あの貴重な扇風機を盗んでいったのだ。しかも、まるで霧のように音もなく。

クラウスは呆然と立ち尽くした。彼の長年の研究の結晶、そして未来への鍵が、あっという間に奪われてしまったのだ。

「くそっ…」彼は歯噛みした。「あの扇風機を取り戻さねば」

しかし、手掛かりは何もない。盗んだ者の正体も、目的も分からない。

バンコクの夜は更けていった。古道具屋の窓からは、もはや扇風機の音は聞こえない。代わりに、クラウスの苦悶の吐息だけが響いていた。

彼は決意した。どこへでも行く。何年かかっても、あの扇風機を探し出す。なぜなら、その中には未来への鍵が隠されているのだから。

こうして、クラウス・シュミットの新たな冒険が始まった。彼は、失われた扇風機を追って、バンコクの迷宮のような路地を歩み始めたのだった。

バンコクの街に、新たな風が吹き始めていた。それは、過去と未来を結ぶ、不思議な旋風だった。そして今、その風は誰かの手によって攫われ、未知の場所へと運ばれていったのである。

クラウス・シュミットは、1920年代のドイツ、バイエルン州の寒村で生まれた。彼の父親ハンスは、表向きは古書店を営む真面目な商人だったが、その実態は恐ろしい悪魔崇拝者だった。母親エルザは、ハンスとの結婚後まもなく姿を消した。村人たちは、彼女が夫の暴力から逃げ出したのだと噂したが、真相は誰も知らなかった。

実際、エルザの失踪には恐ろしい真実が隠されていた。ハンスは、古来より伝わる禁断の書物「ネクロノミコン」の一部を所有しており、その中に記された悪魔召喚の儀式を実行していたのだ。彼は妻エルザを生贄として悪魔に捧げ、見返りとして特別な子供を授かることを望んだ。

その結果生まれたのが、クラウスだった。

幼いクラウスは、父親の恐ろしい秘密を知らぬまま成長した。しかし、彼の中には生まれながらにして異質な何かが潜んでいた。幼少期から機械いじりが得意で、特に回転する物に強い興味を示した。その才能は、古い扇風機を修理したときに顕著に現れた。

クラウスが10歳のとき、彼は父の書斎で偶然「ネクロノミコン」の断片を見つけた。好奇心に駆られた彼は、その一部を読んでしまう。そこには、H・P・ラブクラフトの小説にも描かれるような、人知を超えた存在たちについての記述があった。クラウスは恐れると同時に、強く魅了された。

その夜、クラウスは奇妙な夢を見た。夢の中で彼は、巨大な扇風機のような装置の前に立っていた。その羽根は、鉤十字の形をしていた。装置が回り始めると、異形の存在たちが次々と現れ、クラウスに語りかけた。

「お前は選ばれし者だ。我々の力を受け継ぐのだ」

翌朝、クラウスは父に夢のことを話した。ハンスは息子の話を聞き、歓喜に満ちた表情を浮かべた。

「わが息子よ、お前こそが悪魔との契約の結晶なのだ」

そう告げると、ハンスはクラウスに真実を打ち明けた。母親の失踪、自身の出生の秘密、そして彼に宿る特別な力について。

クラウスは、自分の存在が悪魔との取引の結果だと知り、激しい衝撃を受けた。しかし同時に、自分の中に眠る力への好奇心も芽生えた。彼は父から「ネクロノミコン」の教えを受け、徐々にその力を開花させていった。

ナチス党が台頭し始めた1930年代、クラウスは10代後半を迎えていた。彼の持つ特殊な才能は、ナチスの秘密結社「アーネンエルベ」の目に留まった。彼らは、クラウスの能力が超常的な力を引き出す鍵になると考えたのだ。

クラウスは、アーネンエルベに加わることで、より深い知識と力を得られると考えた。彼は、自身の能力を利用して特殊な装置を開発した。それは、一見すると普通の扇風機だったが、実は強力な悪魔召喚機だった。この装置は、ナチスの秘密兵器開発プロジェクトの一環として極秘裏に進められた。

第二次世界大戦中、クラウスは自身の研究に没頭した。彼は、扇風機型の悪魔召喚機を通じて、異界の存在たちと交信することに成功。しかし、その過程で彼は恐ろしい真実を知ることとなる。彼が呼び出そうとしている存在たちは、人類を滅ぼそうとしているのだと。

戦争末期、クラウスは自身の研究の危険性を悟った。彼は、ナチスがこの力を手に入れれば、世界が破滅的な結末を迎えると確信した。そこで彼は、自身の研究データを持って逃亡を図ることにした。

ニュルンベルク裁判が始まる直前、クラウスは極秘裏にドイツを脱出。彼は東へと逃れ、最終的にバンコクにたどり着いた。混沌としたアジアの街で、彼は完璧に姿を隠すことができると考えたのだ。

バンコクで、クラウスは古道具屋を開いた。表向きは普通の商売人を装いながら、裏では自身の研究を密かに続けた。彼は、悪魔召喚機としての扇風機の改良を重ね、その力を制御する方法を模索し続けた。

しかし、クラウスの平穏な日々は長くは続かなかった。ある日、彼の店に奇妙な客が訪れた。その人物は、クラウスの過去について詳しく知っているようだった。クラウスは、自分の正体が露見したのではないかと恐れた。

それ以来、クラウスは常に警戒を怠らなくなった。彼は、自身の研究の集大成である特殊な扇風機を、店の奥深くに隠した。その扇風機には、クラウスが長年研究してきた悪魔召喚の技術が詰め込まれていた。

しかし、クラウスの警戒も空しく、ある夜、その貴重な扇風機は何者かによって盗み出されてしまう。クラウスは、自身の研究の結晶が奪われたことに愕然とした。同時に、その扇風機が悪用された場合の恐ろしい結果を想像し、背筋が凍るほどの恐怖を感じた。

クラウスは決意した。どんなことをしても、あの扇風機を取り戻さねばならない。彼は、バンコクの路地裏を這いずり回るように探し始めた。その過程で、彼は様々な怪しげな人物たちと接触。中には、かつてのナチスの同志たちもいた。

しかし、扇風機の行方を突き止めることはできなかった。クラウスは、自分の過去の罪が自分を追い詰めているのではないかと考え始めた。父親から受け継いだ呪われた血統、ナチスとの関わり、そして禁断の知識への探求。すべてが、今の状況を招いたのではないか。

絶望的な気持ちになりながらも、クラウスは諦めなかった。彼は、自身の罪を贖うためにも、あの危険な扇風機を見つけ出し、破壊しなければならないと考えた。それが、彼にとっての最後の使命となるのかもしれない。

そして今、クラウス・シュミットは、バンコクの迷宮のような路地を歩み続けている。彼の周りには、過去と未来を結ぶ不思議な風が吹いている。その風が、彼をどこへ導くのか。クラウスの、そしてあの扇風機の運命は、まだ誰にも分からない。

ただ一つ確かなのは、クラウスがその身に宿す闇の力と、人間性の間で揺れ動きながらも、自らの過ちを正そうとしているということだ。彼の長く曲がりくねった人生の道のりが、これからどこへ向かうのか。それは、時間が教えてくれるだろう。

 

 

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